意地悪で優しいあなたの溺愛

「ん、帰るぞ」

「あ、はい……ん?あっ!体育祭!」

物忘れが激しすぎやしないだろうか。

今日は体育祭だ。

まだ玉入れに出ていない。

「もう終わったけど」

「…え、?」

慌てて時計を見ると短い針が4を指していた。

予定だと体育祭が終わる時間は3時半だから…

「私、ものすごい寝てた…?」

「寝過ぎ」

100m走が終わったのが11時半頃だったはずだから、3時間半も寝ていた計算になる。

「ずっと居てくれたの?」

3時間半の間、左京くんは何をしていたのだろうか。

「…気にしなくていい」

誤魔化し方がわかりやすい。

「じゃあ、左京くんも玉入れでてないの?」

「俺が好きでやったことだから」

左京くんはなんでこんなことをしてくれたのだろう。

体調不良に気がついてくれただけでも嬉しいのに、ずっと傍にいてくれて。

「ありがとう」

自然と笑みがこぼれた。

「ん、」

左京くんは、こちらをちらりと見てから少しだけ眉をしかめた。

左京くんの耳がほんのり赤かった。

私たちは肩を並べて帰路についた。