意地悪で優しいあなたの溺愛

「あっ!そうだ!」

突然、花梨が大きな声を出した。

「私と右京くん、付き合うことになりましたっ!!」

「ッ!!」

花梨が右京くんが好きなのは知っていたけど、ここまで上手くいくとは思っていなかった。

右京くんが花梨の腰を自分に引き寄せた。

ラブラブなのを見せつけられている気分だ。

「花梨、良かったね!」

「うん!ありがとう!」

幸せそうな花梨の笑顔に私も幸せな気分になる。

「胡桃も頑張ってねっ!」

「私、好きな人、居ない、よ?」

頑張ることはない、と言いたかったのだが、“いいの、いいの”と言って背中を軽く叩かれた。

「俺と花梨、体育祭の片付けあって一緒に帰れないから、胡桃ちゃんは左京に送って貰ってね」

いつの間にか花梨のことを呼び捨てするようになった、右京くんが言う。

「えっ!でも、…1人で帰れるよ」

「ダァメ!胡桃、倒れたばっかりでしょ!」

花梨の言うことはもっともだ。

左京くんが断ってくれれば…と思って、左京くんのほうを見る。

「俺も、もともと送るつもりだったし」

私に拒否権はないみたいだ。

「じゃあ、胡桃ちゃんは左京と帰ってね」

「……はい」

断る方法もなく、私は左京くんと帰ることになった。