「え、この子が噂のレイくんのお姫様?」

「おい、(みやこ)近ぇ」


「噂どおりすげえ綺麗な顔してるね」



ずいっと大きな瞳に捕まり、思わず後ずさる。


ど、どうしよう……。

すると、麗日が赤髪の人──京さんというらしい──の首根っこを掴んで、ポイっと放り出した。


た、助かった……。


緊張でおかしくなっていたわたしはほっとして、胸を撫で下ろした。



「京。お前な、うるに近づくなって散々言ったよな? あ?」

「ええ、だってレイくんのオンナだなんて気になるじゃん? ちょっと揶揄っただけだって」


「手出したらぶっ潰すぞ」

「わあ怖い」


麗日にガン飛ばされても飄々と交わしている京さんは、いったい何者なのだろう……。