Hush night



……ううん、わたしのほう。

そう言いたくても、麗日が触れてくるせいで言葉を思うように出せない。


「痛いとこ、ない?」


傷のことを聞いているのだと思い、コクコクと頷く。

実際、傷はかなり治りかけていて、痛いと思うことも少なくなった。



「……っ、ふ、ぅ」



壊れ物に触れるかのような優しい手が、わたしを暴いていく。

衣服の中で、柔くわたしの肌を撫でてくる麗日の瞳は、煌々と光っていた。



……彼の瞳にわたしだけしか、映っていない。



思わず覆いかぶさっている彼に手を伸ばして、自分の腕を彼の首に巻きつける。

離れないようにと無意識にした行動だったけれど、麗日は驚いたように目を見開いて身を引いた。



「……ちょ、それは、だめ」

「…………どう、して」


拒否されたと思い落ち込むわたしに、彼は困ったように眉を下げた。



「止まんなくなるから、ヤダってこと」