……また、そんなこと言って。
甘い言葉に誘われて、どんどん落ちているのはわたしだ。
「あー……、疲れた」
「……おつかれ、さま」
「ん。癒して、うる」
ことごとく、この人は女扱いが上手いと思う。
小さく首を傾げられ、柔らかそうな前髪が彼の目にかかる。
そっと目にかかった髪に触れると、麗日はわたしの腕を柔く掴んだ。
そのまま噛み付くようにキスをして、冷たい床に押し倒される。
「……っ、」
彼のひやりとした手が太ももを撫で、唇を噛み締める。
だけどそれを許してくれない麗日は、優しい手つきでわたしの唇に指を当ててきた。
「かーわい、」
ドクドクとうるさい心臓の音は……きっと、聞こえている。
そんなの構ってられない状態のくせに、恥ずかしくてぎゅっと目を瞑る。
麗日は甘い口づけを落とし、そっと耳元で囁いた。
「寂しかったのは、俺のほうかも」



