ただ、優しく抱きしめてくれる麗日に会いたい。
早く、早く、息を吸いたい。
「……ごめん、ちょっと苛めすぎた」
わたしの顔が真っ青になっていることに気づいたのか、弾さんが慌てて言った。
首を横に振るも、彼はさきほどのような邪悪な笑みではなく、困ったように笑った。
「本当にうるちゃんって……いままで、どこで、何をしてたの?」
純粋に投げかけられた質問が、返って頭を冷静にしていく。
どこで……、何を…………。
「わから……ない、です」
頑なに閉じた唇。
何度目かわからない曖昧な答えに、弾さんは呆れることなく「そっか」と言って天を仰いでいた。



