でも麗日の指示だというのなら、弾さんは逆らうことが出来ないのだろう。
麗日がバックに付いている以上、弾さんがわたしに何か危害を加えることは決してないことは明らかなので、意を決して頷いた。
「……わかり、ました。準備してきます」
「うん。外で待ってる」
麗日に買ってもらった服を着ながら、ふと思う。
はじめここに来た時よりも、だいぶと話せるようになってきた気がする。
言葉を紡ぐことに抵抗があまりなくなったし、否定されるという怖さが薄れたのかもしれない。
どれもこれも麗日のおかげで、彼がいないとわたしの心はずっと死んだままだった。
こんな暖かい部屋にいれることもあり得ないのに、日常になってしまっている。
日常が終わる日ほど、怖いときはない。
……早く、麗日に会いたいな。
彼と離れて少ししか経っていないのにそう考えてしまっているわたしは重症なのだろう。



