麗日がそう言うと、途端に資料が彼の元へ集められる。
その資料にはきっと、彼の組織の情報が羅列されてあるのだろう。
パッと見ただけでも気持ち悪くなりそうなほどの細かい字が並んでいて、黙って聞いておくことにした。
それにざっと目を通した彼は、顔を顰めて言う。
「どうやったらこんなに莫大な数字になるんだよ」
冷徹な声に、慌てて組織の人が首を垂れた。
「麗日様、それはですね……下っ端どもの動きが大変悪くて」
「下っ端の動きが悪いなら、その指導役のあんたらも悪いんじゃねえのか?」
「……っ、はい。申し訳ございません。以後気を付けます」
「当たり前。次はねえぞ」
場の皆は、弾さんとわたし以外は美麗な彼に平伏していた。
なんとか機嫌を損ねないようにとでも言うように。



