Hush night



一瞬で凍っている空気を察したのか、彼は苦笑して麗日に言う。



「麗日、何言ったの」

「うるには手出すな干渉するな俺に連絡しろって言った」


「過保護にも程があるだろ」

「世の中は危ないことだらけなんだよ」


「麗日がいちばん危険だろ」


そんなやりとりをしながら、弾さんはスーツの男の人たちに会釈して、会議室のような驚くほど広い部屋の奥へと進んでいった。

広さ500平方メートルくらいはあるんじゃないだろうか。


麗日もわたしの手を引いて奥へと進んで行く。



恐ろしいほど大きな一室には、おそらく50人程度の黒いスーツの男の人がいた。


わたしのために用意されたふかふかの椅子は、当たり前のように麗日の隣だ。


巨大な机を囲んでいる全員が彼に視線を集中させ、会合が始まろうとしていた。


弾さんが全員座ったことを確認すると、すっと手を挙げて麗日に合図を出した。



「始めようか」