わたしの肩に回っている麗日の腕の力が、ぐっとこもった。
ちょっと痛いな、と思っていると、彼はぱっとわたしの顔を見て口を開いた。
「帰り道は、日用品とか服とか化粧道具とか、必要なもの全部買って帰るぞ」
「……え、」
「俺の住処に置いておけ。欲しいものぜんぶ揃えるから遠慮なく言えよ」
「……、いいよ、もうしわけな、」
「申し訳ないとか言うな。ありがとうって言え」
その言葉に、ハッとする。
麗日の瞳を覗くと、さきほどまでの無表情とは違って、彼は極上に優しい顔をしていた。
わたしにだけ向ける慈愛の瞳。
お願いだから、……嬉しいだなんて思ってしまうから、特別扱いなんてしないでほしい。



