だけど、弾さんのその質問は、わたしの隣に座る美麗な彼を怒らせたらしい。
「…………は?」
地を這うような低い声が聞こえて、びっくりして麗日は見る。
彼は見たこともないほど奥のない無表情で、弾さんを真っ直ぐに見つめていた。
「いや、だから、……うるちゃんは一応うちの勢力圏じゃないから」
焦ったように取り繕う弾さんに、「大丈夫です」と言いかける。
別に失礼だとか思わない。何度も言うけれど、それくらい普通ってわかってるから。
だけどわたしが、大丈夫の“だ”を言いかけるその前に、麗日は冷たく言い放った。
「そんなんどうでもいいわ。うるは俺が連れて行きたいから来させてんの」
「……、でも、麗日、」
「それ以上余計なこと言ったらわかってんだろうな?」
「……、ああ、ごめん」
その麗日の言葉でおとなしく弾さんは引き下がり、前を向いて座った。



