艶やかに微笑んだ麗日。
触れたら一瞬で毒が回ってきそうなほど美しくて敵わない。
わたしを特別だとでも言うように扱ってくるのは、本当に本当に……どうしてだろう。
「あ、そういえば。うる、今日ちょっと着いてきてほしいとこあるから」
「着いて、いく……?」
「そ。死ぬほど人いるけど大丈夫。
うるには指一本触れさせねえから安心しろ」
そう言いながら、麗日はわたしの首筋に触れてくる。
ツーっと麗日の指が遊ぶように流れてきて、くすぐったい。
こんなにも触れられることに不快感がない人は初めてだ。
麗日はわたしの初めてをたくさん奪っていく。
知らない世界を、嬉しそうに教えてくれる。
優しく指を這わせる麗日は、そっとわたしの目を見る。
それからわたしの頬を柔らかく包むと、ぎゅっと胸が締め付けられるほど哀しい表情で言った。
「……痛い?」
麗日が壊れ物を触れるかのようにそっと指で撫でたのは、わたしの頬にある無数の傷。
そんなもの、痛みなど感じないようにしていたし、麗日が治癒剤をくれたおかげで耐えられないほどの痛みではなくなっていた。



