「ほら、これ」
そう言って麗日がポイッと投げてきたのは、キンキンに冷えた保冷剤。
手にするのもすごく冷たい……んだけど、これはどういうこと?
なぜ彼が保冷剤をわたしにくれたのかわからなくて、訴えるように彼を見つめた。
あまり喋らない上に表情も乏しいわたしのことを読めているかのように、麗日は言った。
「それね、目に当てときな」
「……目に?」
キョトンとする。
保冷剤を目に当てるなんて聞いたことない。
「そーそ。これで冷やしたら、目腫れるの防止になるわけ。明日目腫れるの嫌だろ」
「……」
……そんなこと、考えてくれたの?
びっくりして目を見開く。
だって、泣いたのは数年振りで……。
さらに、こんなふうにわたしのことを気にしてくれる人がいなかったから何よりも不思議な気分。
くすぐったいけれど……、素直に嬉しい、とそう思った。
麗日が言うなら、と、コクリと頷いて冷たい保冷剤をおそるおそる目に当てる。
冷たさが少し心地よく思えていると、それをじっと見ていた麗日が思い出したように口を開いた。
「あ、勘違いすんなよ? 俺は目腫れてようがなんだろうが、うるが可愛くて仕方ねえんだから」



