Hush night



遠慮がちに通り過ぎる足音。

ヒソヒソと囁く声。



全てがわたしを孤独にしているみたいで、目眩がするほど怖かった。



苦しい。


はやく、はやくこの場から立ち去らないと。



……さもないと、

取り返しの付かないことになる予感がした。




モノとして扱われるわたしは、自分の意志なんて持ってはいけないのに。



なんて考えているのもつかの間、


──── ああ、ほら。




途端に、その場一体の空気が変わった。






何者かによって操られた、どうしようもなく抗えないその雰囲気に。