多くは語らない。
それがまた、わたしの興味を引き出すための作戦なのだろうか。
「……そうですか」
わたし “ は ” 野放しに出来ない。
どういう意味だろう。
まるで、わたしのことを知ってるような──。
「────なにやってんの?」
わたしの思考はその声が聞こえてきたために、閉ざされた。
もちろん声の主は麗日。
早々に通話を切り上げて向かってきていたらしい。
たぶん、弾さんが無造作に足をつけているのは麗日の部屋の扉。
眉をひそめて問う彼の額には、決して怒らせてはいけない青筋が浮かんでいた。
その反対に、目の前の弾さんははじめて動揺を見せた。
「……、麗日」
「うるを脅してんの?」
ピリつく空気を支配するのは麗日だ。
問いつめる姿は冷静なのに、声が圧倒的に低かった。
これが、闇の【レイ】といわれる男。
出逢った瞬間、魅了されたように。
抑揚のない話し方は、どこまでも薄っぺらかった。
「……ちょっと試しただけだよ」
言い訳が無意味とわかったのか、観念したようにわたしから離れた弾さん。
もう先ほどのような重たい空間でなくなり、少し胸を撫でおろした。



