Hush night


真剣にそう言えば、麗日はじっとわたしの瞳を見つめてくる。

揺れる瞳と視線が交わり、ドキッとした。


不安とか迷いとか。

そういうものは、時間をかけて麗日の中から消していきたいと思う。


そうするには、麗日を一生かけて愛さないといけないな……なんて思うと、幸せで仕方なくて笑みが溢れた。



「……もう、いなくなるなよ」

「うん、そばにいる」


「まじで弱るから、勝手に出て行くのはやめて」

「うん、わかった」


「ただ隣にいてくれるだけでいいから。それだけでいいから」

「……わたしも、だよ」



麗日に安心を与えられる存在になりたい。

新たに芽生えた感情に名前を付けるとするならば、それは“愛”なのだろう。



「雨瑠さ、はやく怪我治してな」

「……? どうして?」



不思議に思って首を傾げれば、麗日は含みのある表情をして、耳元で言った。


「抱けないから」


…………?!?!



ぱくぱくと口を開いて顔を真っ赤にするわたしに、麗日は楽しそうに笑う。

その表情はいままで見たなかでいちばん美しく、麗しかった。