わたしも、あの夜、麗日が手を伸ばしてくれて良かったと思う。
お互い見つめ合い、自然に顔が近づいて目を瞑った……そのときだった。
「あのー……さ、気まずいんですけど。俺ら」
複雑そうな顔をして、ひょこっと弾さんがわたしたちの目の前に現れた。
びっくりしすぎて、麗日から思いっきり距離を取ってしまう。
……わ、忘れてた!
ふたりだけじゃないってこと、完全に忘れてた……!
周囲を見回すと、弾さんだけでなく、京さんや他の組員さんたちも微妙な表情を浮かべてこちらを見ていた。
あまりの恥ずかしさに頭を抱えそうになっていると、麗日は平然と弾さんに言う。
「ま、じ、で、弾って絶対邪魔してくるよな? あ?」
「……あのなあ、麗日がまわり見ずにいちゃつき出すのが悪いんじゃん」
「はあ? 本気でうぜえ。こっちは今すぐにでも部屋に連れ込みたい気分なんだよ」
「ハイハイ、そうですか」



