Hush night



弾さんの目も、わたしに負けず死んでいる。

なにか、深い闇を持った真っ黒の瞳。



「ねーえ」


指を遊ばせていた弾さんは、あるところで止めた。




「これ───まさか、GPSとか入ってないよね? 」




わたしの衣服に埋もれたネックレス。


輝きのないアクセサリーを目ざとく見つけた彼は、ネックレスを引っ張って首を傾げてくる。

そうやって……、あるものないものを【レイ】から遠ざけてきたのだろうか。




「……わかりません」



そんなの、わからない。

わたしは、なんにも知らないんだから。



…………所詮、あの人たちからしたら、わたしは忠犬なのだから。




「ふざけてる?」



このネックレスは、小さい頃に身に付けていたおもちゃみたいなものだった。

もう笑むことをやめたらしい彼は、グッと顔を近づけてわたしの瞳を捕らえた。


色のない感情が流れ込んでくるように。



それでもわたしは……怖がることなどできなかった。