「李水、僕はお前の言葉を聞くまで信じていない。真実を言え」
荘厳な空気を纏い、父は兄に静かに尋ねた。
兄のことを信じているという父の発言は、きっと兄をいま苦しめている。
逆らえるはずもないその緊張感に、兄は泣きそうになりながら小さく頷いた。
「本当、です……」
その途端、父は表情を変えることなく兄を思い切り殴った。
ガッと鈍い音が倉庫内に響き、さすがの迫力に思わず顔を背ける。
あんなに酷い兄だけれど、それでも殴られているのを見るのは……辛い。
無表情に見えた父だったけれど、地面に打たれた兄を見下ろして、ひどく切ない表情を浮かべていた。
頬を抑えて荒い息を繰り返す兄の瞳からは涙が流れていた。
「……何故だ、李水。何故、大切な妹を自ら傷付けることを選んだんだ」
「……っ、」
「雨瑠の気持ちは考えたのか? 実の兄に手を挙げられる妹の心を理解していたのか?」
「……っ」
「李水、答えろ」



