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麗日が一息に話し終え、倉庫内は沈黙に包まれた。
わたしはというと、彼の話から聞く過去の交錯の衝撃が大きくて、何も言えずにただただ驚いていた。
……あの日から、兄が変わった日から、麗日はわたしのことを想ってくれていただなんて。
そんなの、信じられなかった。
わたしが麗日に接近した夜、彼は何も知らない顔をしてわたしに話しかけてくれていたこと。
弾さんも、はじめはわたしを品定めするような態度を見せていたのには、麗日を守るべき理由があったこと。
そして、わたしの父と麗日が、それほどまでに近い存在だったことも。
ぜんぶが衝撃で、何から整理していけばいいのかわからなかった。



