ついにスイが動き出したのだと思った。
もしかすると、妹を使って俺を潰そうと舌を巻いているのかもしれない。
それなら、喜んで乗ってやろうと思った。
だからといって獅童組も、雨瑠も、何もかも渡さないと覚悟して、車で繁華街へと向かう。
弾には、雨瑠を一目見たときの話をしていたため、彼も引き連れていた。
道中、『麗日が一目惚れする子ってどんな子?』といちいちうるさかったのを覚えている。
弾と情報屋の京以外の組員には、誰にも雨瑠のことは言わなかった。
スイに情報がいくのは避けたかったから。
繁華街に到着し、運転手の森さんに礼を言って、視線を配りながら歩いた。
獅童組のトップが護衛を付けずに歩いているなど、例外中の例外なため、繁華街の空気がひどく変わったのを実感する。



