その噂を聞いたときに、いますぐスイを呼び出してやめさせるように言おうかとも考えた。
だが、そんなことをしたところで、俺の見えないところでもっと暴力が酷くなったらどうするのか。
そんなことをしたら、あの少女が心の底から笑える日々は、程遠いものになるかもしれない。
気づけば、彼女のことしか考えていなかった。
これを世間では、一目惚れとでも言うのかもしれない。
それほどまでに強烈な印象を残した彼女を救うことしか、俺の頭にはなかったのだ。
早く早くと思いつつも時期を見て、19になったある日、とある情報が耳に入ってきた。
“ 傷だらけの少女が、獅童組所轄の繁華街を彷徨いている ”
その噂を耳にした瞬間、飛び出していた。
なぜか、絶対に雨瑠だという確信があったのだ。



