Hush night


『……麗日を、連れて行っちゃうんですか』



か細い声で、弾は尋ねる。

全面に“ 寂しい ”という空気を纏っているのに気付く。


ふたりを黙って見守っていると、獅童さんは優しく低い声で言った。



『ああ。でも、弾も一緒にな』


『…………え?』



……弾も、一緒に?

ぽかんとしている弾と同じく、俺も目を瞬かせる。


そんなことできるのか、と疑ったけれど、獅童さんならやりかねないと思った。

俺がいつも視線を送っている先が弾だと察し、俺の気持ちをも汲み取って手続きを済ましていたのだろう。



……なんて凄い人だ。

獅童さんには一生頭が上がらないと痛感した。



『でも、そんなの、俺迷惑じゃ……』

『違うよ。きみが必要なんだ』


『……俺が? 必要?』