『俺、やります』
『ん?』
『俺を、獅童組の頭にしてください』
勢いよく頭を下げた。
それほどまでに渇望していた。
こうしている間も、雨瑠という少女は兄である少年に罵倒されているのかもしれない。
何も、悪くないのに。
この真っ暗な闇のような世界のせいで。
早く、明るい場所へと救い出したかった。
『ああ、もちろんだ』
俺の背中を軽く叩いた獅童さんは、嬉しそうだった。
いつか、あの少年とも和解できたら良いなと思う。
俺のせいであんなふうになったのだとしたら、それはすごく嫌だったから。
それから車に乗って施設へと戻った。
施設の人が獅童さんに向かって頭を下げているのを奇妙に思いながら隣を歩く。
『麗日、手続きはもう終わっているから、今日にでもうちに来るか?』
養子にすることなく簡単に子供を引き取るなど、この施設に莫大な支援金を出している獅童さんしか出来ない所業だ。
さすがの手続きの速さだな、と驚きつつも頷く。
だけど、やっぱり弾のことが頭から離れなかった。
ふと見やると、俺が行ったときと同じように、弾はぼーっと窓の外を見ていた。
俺が帰ってきたことに気付いているはずなのに。



