それなら、意味がない。
あの少女を救い出すには、俺が獅童さんの厚意を断り、ずっと施設に残ればいいのか。
……でも、そうすれば彼女とはもう会えなくなる。
それだけは嫌だった。
あれほど目を奪われるほどの衝撃は、もうないと思ったから。
どうしても、彼女……雨瑠を手に入れたかった。
そこで、ふと先ほど獅童さんが言っていた言葉を思い返す。
───この世界は、上の人間が全てを支配する
ああ、それなら、と。
それなら、俺が獅童組のトップになれば、少女を救い出せるかもしれない。
そのためなら、なんだってやれると思った。



