考え続け歩いていると、ふと目の前に獅童さんが立っていた。
『ようやく仕事が終わった。そろそろ施設へ戻るか』
尋ねてくる獅童さんに頷き、やはり膨らんだ興味は萎むことはなく、おそるおそる疑問をぶつけた。
『あの……二階にいる、ふたりって、』
『二階? ……ああ、俺の息子と娘だ。
名前は、李水と雨瑠』
あの少女の名前は、……雨瑠。
美しい響きを、頭の中で何度も反芻する。
『李水……組員はスイと呼んでいるが、息子には後々お前の下についてもらう』
『……』
あの少年と上手くやれば、少女を救い出せるのか。
そう期待したけれど、人生などそう上手くいくわけがない。
『だが、僕の私生活には関わるな。仕事のこと以外で息子たちに接触するのは許さない』



