その後は、会議をしているのを眺めたり、組員が見ている資料を渡されて読んでみたり、彼らの名前を覚えたりしていると、時間があっという間に過ぎた。
組員の人たちも優しく接してくれ、さらに獅童さんと同じく、うんと歳下でも対等に扱ってくれる態度に、施設よりもずっと居心地が良かった。
獅童さんが呼んだ組員の名前はひとりたりとも忘れずに覚えていることを世間話程度に言えば、彼は嬉しそうに頭を乱暴に撫でてくれた。
『なあ、麗日。この前僕は、人生つまらないのなら自分で面白くしろと言っただろ』
『はい』
『それでもやりたいことがなかったら、獅童組のトップになれ。この世界は上の人間が全てを支配する。誰も逆らえないんだ』
支配する者と、される側。
その間には大きな溝があることに気付く。
『獅童さんは……怖くないんですか』
『怖い?』
『……支配される人たちの全てを担っていることが、怖くなることはないんですか?』
『あるよ』



