急な展開すぎて驚いたけれど、認められているみたいで嬉しくてすぐに頷いた。
獅童さんの背中は大きく、頼もしいオーラを纏っていて、俺もこんなふうになれるのかという不安に襲われる。
施設の人に話をしに行った獅童さんを眺めていると、ふと背後から視線を感じて後ろを振り向く。
すると、物寂しげに弾がこちらを見つめていた。
『麗日、行っちゃうの?』
いつもの胡散臭い笑顔はなく、その表情には色がなかった。
施設での生活が幾分楽になったのは、紛れもなく弾のおかげだったと思い返す。
『……わかんねえ』
弾を置いて、俺だけ逃げてもいいのか。
その逡巡に、先ほどまでの意志は揺らいでいた。
獅童さんは施設の人との話が終わると、慌ただしく去って行った。
彼のボディーガードらしき人たちも着いて行き、それを後ろから見ていると、言いようもない危険性が醸し出されていた。
それから、また獅童さんが現れる1週間後まで、この話題は弾との間で禁句になった。
俺自身も、迷っていたから。
弾が時折見せる表情が、柄にもなく辛かったから。
そうして1週間が経ち、また獅童さんがやって来た。



