自分自身に絶大な信頼を持っている獅童さんは恐ろしいほどカッコよく、美しかった。
俺が知っている大人の中で、いちばん信頼できる人だと思った。
『……獅童さんの所に、行きたい』
施設に入ってから、はじめて自分から望んだ願いだった。
早く息苦しい此処から逃げ出したかったところに、救世主のように獅童さんが現れたのだから。
正直、獅童さんからは至極怪しい匂いがしたし、彼の後を継ぐかどうかはのちのち考えれば良いと思っていた。
当時は面倒なことはなるべく引き受けたくなかったという本音がある。
普通に生活できれば、それで良かったのだ。
『そうか。この件は施設の者に通しておく。
それと1週間後、時間はあるか?』
『……あります、けど』
『なら、ひとまず僕の仕事場まで着いて来てもらいたい』



