Hush night



『麗日は、いまやりたいことがあるのか』

『やりたいこと?』


『将来どんな人になりたいとか、何をしたいとか具体的な夢だ』


それに対する回答は、すでに弾と話していたところだったから決まっていた。


『何もない……人生、何も面白くないし、つまんないから』



本音がぽろりと漏れ、それを獅童さんは丁寧に掬った。



『人生は、自分で面白いものにするんだよ』




獅童さんの言葉にハッとして前を向けば、彼は優しい瞳を返してくれた。

近くでしっかり顔を見ると、かなり整った顔立ちをしていることに気付き、不可抗力でどきりとした。


そんな俺に、獅童さんは驚くべきことを言ったのだ。




『僕の所に来るか』



初めは、聞き間違いかと思った。



『……、え』


『僕を父親だなんて思わなくて良い。ただ一緒に、人生を歩んでみるか』