彼が施設に赴くのは珍しいことらしく、施設の人は皆ソワソワとしていた。
また彼がボディーガードのようなガタイの良い男性を複数人連れて来ていたこともあり、子供ながらに“ 危険人物 ”と認定していたのだ。
そんなふうに思っていたのは、彼が俺に目を向けるだなんて考えもしなかったから。
だから、彼───獅童さんが俺をじっと見つめていたのに気づいたとき、冗談でも何でもなく心臓が跳ね上がったのだ。
『きみ、名前は?』
躊躇なく近づいて来た獅童さんのオーラが尋常ではなく、弾は怯えてさっと俺の後ろに回ってしまった。
ほかの子供たちも遠巻きに、固唾を飲んで俺たちを見守っていた。



