認められないことは苦しい。

その気持ちはわかっていた。


だから、兄からの暴力も受け止めていた。

いつか昔のように、わたしのことを愛してくれると願っていたから。


だけれど、無理だと悟った。

麗日に出会い、本当の優しさを知った。


兄から離れることが最善であると、わかってしまったのだ。



「スイ」


麗日は兄の名前を呼んだ。

抑揚のない声に、スイと呼ばれた兄は目線を上げる。



「俺はお前がうるを使って潰そうとしてきているのは、最初からわかっていた」



その言葉に目を見開いた兄は、ひどく動揺し始めた。

わたしだって、信じられなかった。


この場で狼狽しているのは、わたしと兄だけだった。



「……は、まさか、レイお前、」