Hush night




麗日にこくりと頷くと、それを見た弾さんが促してきた。


「うるちゃん、行こう」



麗日はもうスマホを拾って通話しているみたいで、わたしのことは見ていなかった。


……麗日がわたしを拾ったくせに。



柄にもなく陰鬱な気分に失せる。


車から降りると、そこには綺麗なマンションが建っていた。


……ここが麗日の住処?




20代やそこらが住めそうにない高級感。

外観から感じるその立派な雰囲気に、物怖じをしてしまう。



やっぱり何者……?



ただ、間違っても一般人ではないことは確かだ。

それに驚いているせいで足がすくんでいたのを、弾さんは見逃さなかった。



「大丈夫?」



感情の読めない無理した優しい声。

胡散臭い笑顔も……、弾さんの苦手なところだ。