「だから……っ! 部外者のお前には関係ねえんだよ!」
息を荒げて麗日から離れた兄は、服を整えて彼を睨みつけた。
静かな冷戦の中、その間に京さんがわたしに近づき、優しく肩に手を置いた。
その表情は心配や安堵、そして多大な温もりが含まれていることに気付く。
「うるちゃん、もう大丈夫だから」
わたしのことを仲間のように扱ってくれる変わらない優しさに、震えながらもゆっくりと頷いた。
やっと、……ちゃんと大丈夫になった気がした。
この人たちがいるから、わたしは大丈夫だと思えるようになった。
もう兄から離れてもいいのだと、認めてもらえた気がしたのだ。



