Hush night


「そう簡単に逃さねえよ。お前は俺の妹なんだからなあ?」



わたしを妹だなんて思っていないと言ったくせに。

血筋など、この期に及んでどうしたと言うのだ。



実の妹に手を挙げるあなたに……誰が着いて行きたいと思うの?



沸々と湧き起こる怒りが爆発し、蹴られた痛みなど無視して無理やり起き上がった。



「……あ? どこ行くんだよ」



傷だらけのわたしを不気味そうに眺め、そう尋ねてくる兄。

この人は、何があってもわたしが帰ってくると思っている。


もう、兄の周りにはわたししか残っていないのかもしれない。




それが何故か哀しくて仕方がなかった。