Hush night




「……っ、お兄、ちゃん、」


鈍い痛みに耐えながら、なんとか声を振り絞る。

視界が歪み、兄の表情が見えない。


彼の耳にわたしの声が届いたかはわからなかったけれど、いまはそんなことはどうでも良かった。



「もう……解放、してください、」



泣きながら、訴えた。

心の底からの願いだった。



小さい声だったけれど、兄に聞こえたのだろう。


ぴたりと動きを止め、兄はわたしを冷えた瞳で見つめた。




「仕事もこなせない奴を解放? 馬鹿言ってんじゃねえよ」



感情を消した彼の表情は何も映っておらず、妙なオーラを纏っていた。