……始まってしまう。
そう感じたとき、少しだけ後悔した。
「レイや『獅童組』内部の情報は、全て俺にメッセージで送れ」
「……はい、」
「……俺を裏切ったら、許さねえからな」
わたしたちは、孤独な兄妹だ。
誰からも必要とされることなく、こうして意味のない日々を繰り返している。
力なく頷き、倉庫を後にした。
そうして傷だらけの体で繁華街を歩いていると、不可抗力で【レイ】に出会ってしまったのだ。
彼に出会ってしまったら、全てが動き出してしまうのを恐れていたのに。
それなのに麗日はいとも簡単にわたしを攫い、当然のように助けてくれた。
それがわたしの、あの夜の出来事だった。



