「あー、わかったって。状況だけ教えろ、指示だすから」
『えっ?! レイさんは来てくれないんですか?!』
「……んー?」
電話の向こうで可哀想なくらい悲痛な声をあげる相手をあしらいながら、少しだけこちらに目線を向けた。
おとなしく麗日の飴を舐めているわたしの頭に、ポンと大きな手を置くと。
「今日はダメ」
クスッと笑って断った。
……じわっと心が温かくなる。
慕ってくれている大切な仲間よりも、今日出逢ったばかりのわたしを優先させるなんて……どうなってるの。
そう思うけど、やっぱり特別に感じる扱いに嬉しさを隠さずにはいられなかった。
『おおおおおお女っスか?!』
「あーハイハイ。そーゆーことでいいから」
『レイさん真面目に聞いてください!』
もしかすると、わたしがいるからとかじゃなくて、ただ電話の相手のところへ赴くのが面倒なだけなのかもしれない。
漏れる会話で麗日が普段どんな人なのか想像がついてしまう。
……やっぱり、どこか違う。
わたしの知ってる彼と噂で聞いていた彼では、振る舞いまでも……まったく違かった。



