包帯やら血やらに塗れている俺が平然とスーツを着ているのを眺め、弾は奇妙な物を見ているような視線を送ってくる。 「麗日さあ……お前のうるちゃんへの愛の重さ知ったら、彼女ドン引きするんじゃね」 「仕方ない。自分でも怖えくらい重いんだよ」 「……自覚ありかよ」 はあ……とため息を吐く弾を無視しながら、森さんに車を出してもらえるよう電話する。 通話を切り、そのまま目を閉じて覚悟を決めた。 「────絶対に、誰にもあげねえ」 うるは、俺のだから。