運転手さんの呼びかけに軽く頷いた麗日は、ちらっと自分の腕時計を確認した。
時間でも迫ってるんだろうか?
……と、その瞬間、彼のスマホが振動した。
麗日はわかってたかのような自然な動きでポケットからそれを取り出すと、耳に当てる。
「あ、俺ね。何の用? …………って、はあ?」
途端に顔をしかめる麗日。
そうして鬱陶しそうにため息をつくと、含んでいた棒付きキャンディをわたしの口に突っ込んだ。
……なっ?!
突然の出来事にびっくりして目を見開くけど、当の麗日はまったく気にせず電話に夢中。
良くない知らせのようで、みるみる呆れた表情になる。
そんなことを考えながらも
甘くぬるい感覚が、舌を刺激する。
か、間接キス、だけど……。
一体なにが起こったのかわからない。
こんなことを平気でする【レイ】がわからない。
経験がなさすぎるわたしが変なの?
普通はこうなの……?



