「弾」
ベッドの横で静かに立っていた弾に、視線を向ける。
お目付役の許可を得ようとしたけれど、その必要はないと言うように弾は小さく微笑んだ。
「俺がやめろって言っても、行くんだろ」
さすが弾、約10年親友やってるだけあって理解がある。
こくりと頷くと、弾は呆れたように言った。
「でも、お前だけ行かせないよ。そうとなれば、『獅童組』総出で行く」
「それは、」
「何度も言わせんなって。麗日は、『獅童組』の【レイ】なんだよ。俺らのトップなんだよ。だから、どうせなら皆巻き込んじゃえばいいんじゃね?」
無茶苦茶だと思う。
だけどその無茶苦茶な提案が、なぜかすごく嬉しかった。
「弾、ありがとな」
「なんだよ、麗日が礼言うとか気持ち悪いって」
「は? 俺の誠意返せ」
「常に持ってくれたらいいんだけど」
こうやって口喧嘩していたら、いつもの調子になる。
ベッドから降りて立ち、少し伸びをした。
ふっと力を抜き、病院に集まってくれた組員の顔を見る。
「俺の我儘聞いてくれる?」
じっと組員たちを見回すと、皆呆れたような表情を浮かべていた。



