穂積に視線を向けるも、彼は微動だにしない。
それほど強い意志があるのだな、と客観的に思う。
穂積は組員の中では最年少で、俺とひとつしか歳が変わらない。
歳下だけれど、かなり信用している。
常時忠実に仕事をこなすし、何よりも『獅童組』を誇りに思っているからだ。
「……お言葉ですが、レイ様」
黙って聞いていれば、穂積に賛同するように他の組員も立ち上がって言う。
「……あの娘とは、もう関わらない方がよろしいかと」
「『獅童組』にも悪影響を及ぼす可能性もあり得ますし……」
「レイ様の安否も不確かなものになります」
口々にうるを否定する言葉が耳に入ってくる。
……ああ、耳障りだ。
うるのせいで、俺が危険な目に遭ったとでも言いたいのだろう。
真実は、違う。
うるを操る、あいつ───スイのせいなのに。



