「……麗日さ、なんで簡単にやられた?」
弾の静かな声が耳に入る。
厳しい表情の理由はそれを言いたかったからかと納得しながらも、肩をすくめた。
「別に簡単にやられたわけじゃねえんだけど」
背後から襲われるのって、驚くしまあまあ痛いからな。
わざと拗ねたように言えば、弾はもっと顔を顰めて問いただしてくる。
「今日に限って俺を先に行かせただろ。森さんから麗日が襲われたって連絡入ったときの俺の気持ち、お前にわかるか?」
「たまたまだって」
「嘘言うなよ。全部わざとだろ」
確信めいた言い方をされ、一旦口を噤んだ。
この場には、弾だけではなく、他の組員も数人いる。
うるが責められることは避けたいがために、なるべく本当のことは言いたくないのが本音だ。
席を外させたらいいのだけれど、それをするのも不本意だった。
いろいろ考えるのが面倒になり、観念して弾に話すことにする。



