Hush night


勢いよく扉を開けると、悲壮な顔をした弾さんと。


────彼に抱えられる、血だらけの麗日がいた。





「れい、ひ、……」



震えながら、弾さんの肩に支えられている麗日に手を伸ばす。

そうしている間も、ぽたぽたと彼の額からは無惨な血が落ちていく。



かすかに目を開いた麗日が、わたしの姿を確認した途端、伸ばしていた手を柔く掴んだ。


あまりにも、力のない手だった。





「いなくなってたら……どうしようかと、思った」



掠れた声で、麗日は言う。

その声を聞いた瞬間、莫大な後悔が襲ってくる。



麗日は、……無敵なんかじゃない。

どれほど強かでも、通用しないほどの大きな力には、平伏してしまう。



わたしは、どうして、彼なら大丈夫だと安堵してしまったのだろう。