わたしが麗日の安否を祈るなんて、よくよく考えたら可笑しな話だ。
救いようのない馬鹿で、偽善なのだ。
それでも、願わずにはいられなかった。
麗日が、何事もなくわたしの待つこの部屋に帰ってくることを。
麗日に、何かメッセージを送ろうかと迷う。
でも……。
ひとりで抱えきれないほどの不安、葛藤、後悔が振り翳し、軽く過呼吸になる。
ここに麗日がいないことを悲しく思う。
でも、……こんな状況になったのは、すべてわたしのせいなのだ。
呼吸の乱れをなんとか落ち着かせ、肩で息をする。
……大丈夫、麗日は大丈夫。
麗日は、強かで賢くて……絶対に大丈夫だ。
不安が襲う中、静寂な部屋でひとり震えていた、……そのときだった。
────ドンドンドンッ
……と、部屋の玄関扉が激しく殴られた音がした。
……な、何?
驚いて、ピタリと動きが止まる。
麗日には、絶対に開けるなと言われている扉。
何度も何度も拳を打ち付ける音が、部屋中に響いて耳を塞ぎたくなる。
何が起きているのか確認したいけれど、恐怖と約束が邪魔をして。
……怖い。
震える肩を押さえながら、のろのろと玄関前へと近づいた。



