☽
麗日が部屋を出て行って、約3時間が経った。
既に時は夜9時を回り、あたりはすっかり暗くなっている。
ひんやりした暗い部屋で、ひとりスマホを触る。
そういえば、連絡先は交換したけれど、麗日とやり取りしたことはなかったな……。
麗日以外の連絡先は、たったふたりしか知らない。
そのうちのひとりから、ピロンと軽快な音と共にメッセージが届いた。
────『ご苦労だった』
それだけの短いメッセージに、嫌な汗が噴き出す。
以前までは既読無視が当たり前だったこの人が、わざわざこんなメッセージを寄越してくるなんて。
……まさか。
どうしよう……と居ても立っても居られなくなって、麗日の部屋をうろうろしてしまう。
……早く、帰ってきて。麗日。
ただそれを祈るだけの時間が過ぎて行き、不安が募っていく。



