Hush night






麗日が部屋を出て行って、約3時間が経った。

既に時は夜9時を回り、あたりはすっかり暗くなっている。


ひんやりした暗い部屋で、ひとりスマホを触る。



そういえば、連絡先は交換したけれど、麗日とやり取りしたことはなかったな……。

麗日以外の連絡先は、たったふたりしか知らない。


そのうちのひとりから、ピロンと軽快な音と共にメッセージが届いた。


────『ご苦労だった』


それだけの短いメッセージに、嫌な汗が噴き出す。

以前までは既読無視が当たり前だったこの人が、わざわざこんなメッセージを寄越してくるなんて。



……まさか。

どうしよう……と居ても立っても居られなくなって、麗日の部屋をうろうろしてしまう。



……早く、帰ってきて。麗日。

ただそれを祈るだけの時間が過ぎて行き、不安が募っていく。