Hush night



咎められるのは、わたしだ。

うまく喋れなくて、伝わらない。



俯いて激しく後悔していると、暗い空気をかき消すように、麗日はわしゃわしゃと髪を雑に撫でてきた。



「うるのせいでもなんでもねえよ」



眉を下げて微笑んでくれる麗日は、いつも通りだった。



「……、でも、」


「もー辛気くせえ顔すんなって」



大丈夫だから、と髪を乱されていると、少し気持ちが落ち着いた。

麗日の大きな手には、魔法の力がある。


安心感と、包容力と、溢れ出る優しさ。

惜しみなくくれる麗日は、どこまでもわたしを甘やかす。



「嫌なときは嫌って言いな。無理なもんは無理って言え。それで責めたりなんか絶対しねえから」


「……、う、ん」



「うるが自ら選んで俺のところに帰ってきてくれるなら、もうそれでいいから」



気づけば、もうこの部屋が帰る家になっていた。

当たり前のように麗日と食卓を囲み、朝も昼も夜も一緒に過ごしていた。