Hush night


「笑うって、……どうする、の?」



ちがう、……だめだ、まちがえた。

口をついて出た言葉は、確実に、彼を傷つけた。


慌てて撤回しようとするも、もう遅かった。

この前、わたしが控えめにも笑ったことを喜んでくれた麗日に、こんな言葉は酷だ。


少し前までは、彼の前で笑えていたのに。

どうしてか、笑えなくなっていた。




「……うる、」



掠れた声と、揺れる瞳。

麗日を形作るありとあらゆるものたちが、悲しんでいた。


「……ちがう、の」



なんとか撤回したくて、拙い言葉を紡ごうと必死になる。

麗日は、そんなわたしに頷いてくれた。



「いまは、……笑え、なくて」

「……うん」


「麗日の、せいとかじゃ、……なくて」

「……、うん」


「……ぜんぶ、わたしの、せいなの」