Hush night


矛盾する心が、全てを邪魔する。


麗日を悲しませたいわけじゃない。

こんな切ない顔、させたいわけじゃない。



いつだってわたしの気持ちを優先させてくれる優しい人。


それなのに、わたしは、……最低だ。




「うる、笑って」



その声に、いつのまにか唇を噛み締めていたことに気づく。

麗日は不安そうにわたしの顔を覗き込んでいる。



もしかすると、……麗日は、わたしのことを全部わかっているのかもしれないと思った。


わたしが纏う嘘も、全て。



そんなはずないけれど、この人ならあり得ると思ってしまう自分がいる。



それなのに、わたしはずっと囚われている。

逃げ出せない檻の中に。


どう頑張っても表情筋が動かない。

笑いたいのに、笑えない。


ああ、どうしよう。

このままじゃ、麗日にもっと心配させてしまう。


じっと見つめてくる彼の瞳を見つめ返し、震える声で尋ねてしまう。