……そんなことを言われたら、わたしの理性もなくなってしまう。
麗日が求めてくれるのなら、何でも渡したいと思う。
彼のためなら、何だって捧げられる。
だけど、どうしても、心の奥底に棘が刺さっているのが疼き出す。
これ以上はやめろ、と、忠告するように。
もう踏み込むな、と、知らしめるように。
どうしたらいいかわからない。
受け入れることも、拒むことも、出来なかった。
そんなわたしの心を汲み取ったのか、麗日は鼻と鼻がぶつかるほど近い距離でぴたりと止まる。
そうして、いまにも壊れそうなものに触れるように、そっとわたしの頬を撫でた。
「うる、ごめん、なんもしない」
麗日の揺れる瞳に、情けない顔をしたわたしが映っていた。
それを見て、はっと我に帰る。
……麗日のことが、嫌なわけじゃ、ないのに。



